KDDIは3月18日、東京大学発のAIスタートアップ企業であるELYZA(東京都文京区)を連結子会社化すると発表した。KDDIとELYZAは資本業務提携を行い、2012年4月1日までにKDDIグループがELYZAの株式の過半数を保有する。これにより、「ジェネレーティブAIの社会実装が加速する」と同社および同社グループは考えている。
KDDIが43.4%、グループ会社のKDDI Digital Divergenceが10.0%のELYZAの株式を保有する。同社らは今後、生成AIの利用を担う組織を共同設置し、春以降に順次生成AI関連サービスを企業や自治体向けに提供する。具体的には「オープンモデル活用型の日本語汎用大規模言語モデル(LLM)開発」「領域特化型のLLM開発」「生成AIを活用したDX支援・AI SaaS」の3つを提供予定。
KDDIは資本業務提携の理由について「生成AI活用による業務効率化や生産性向上の実現が期待される一方、グローバルモデルの利用だけでは、本格的な課題解決に至らないケースも出てきている」と指摘。最適化された日本語の汎用LLMや業界特化LLMなどが必要であるとし「生成AIの社会実装力を高めていきたい」と述べている。
ELYZAは、AI研究の権威である東京大学・松尾豊教授の研究室メンバーが立ち上げたベンチャー企業。LLMの研究開発や社会実装などを手掛けており、12日には新たな日本語LLM「ELYZA-japanese-Llama-2-70b」を発表。「日本語処理能力で米OpenAI製のGPT-4や、米Google製のGemini 1.0に匹敵する性能を持つ」とアピールしていた。
ソース:ITmedia